旭川市青少年科学館
北海道旭川市常盤公園
星を見た日 2005/1/9
旭川の科学館に小さなツァイス君がある。それがもうすぐ閉館する。閉館のことを知ったのは12月。
1月30日で閉館となる旭川市青少年科学館。新しい科学館を建設中で、7月にオープン予定。
あたらしい科学館には今よりももっと大きなドームが出来て、新しい投影機が入る。今のちいさなツァ
イス君の動いているところが見れるのは、ほんとにあと、少しだけ。今行かなくて、いつ行くのだ。年末
に急いでチケットとって、行って来ました旭川。
カールツァイス・イエナ社製のZKP-1型。日本にあるのは2台だけで、一台は岐阜市科学館のもので、
昭和59年に引退し、今は展示されているそうです。もう一台が旭川市青少年科学館にあるもので、いまだ
現役。それが新しい科学館の建設と、投影機自体の老朽化もあって、2005年1月30日、ついに引退を迎
えます。41年間たくさんの星を映し続けてきた小さなツァイス君。
投影は30分ほど。8Mの水平ドームに81席の同心円配列。入り口脇の小さな解説台からの生解説。ドー
ムの周りは影絵の町並み、旭川の風景。解説台の後方に大きな橋。旭川からだと東京は南側。富良野と同
じ方向。リクライニングの木の椅子。千葉城のなかの小さなプラネを小さな頃に幾度か見て、大人になって
渋谷の五プラに通った私にとって、それは懐かしい感覚。
太陽が沈み、夕焼けがあって、だんだんと星が輝きだす。天の川を辿って南側へ。牡牛、オリオン、おお
いぬ、こいぬ。ここの投影機では星の色は映すことは出来ません。でも本物の空にはないあたたかさがその
光にはあると思う。星雲の写真を見て、夜が更けます。後半、トロイの木馬の話がスライドで紹介されました。
そして陽が昇ります。聞こえてくるのは投影機が動く音。古い機械のせいか、幾分大きく響いていましたが、
私はこの音が聞こえるのも好き。朝焼けがあって、日の出を迎えます。やっぱり夕焼けと朝焼けと、両方あ
る方が好き。明るくなって投影終了。
投影終了後、ツァイス君の周りをうろうろしていたら、前日に来ていた友人の計らいで、館の方が声をか
けてくださいました。いっぱい写真を撮らせていただきながら、ドームの中でお話をさせて頂いて、解説席
にも座らせてもらって、そうこうしてるうちに次の投影時間に。(1日4回投影で、最初見たのは2時30
分の回、次の3時30分の回が最後です)まだ時間はあるので次の回もそのまま見ることに。内容は同じだ
けど、夕焼けとやさしい光と朝焼けをしっかり楽しみました。
その回の終了後、学芸員の石川さんに、時間があれば下へどうぞ、と誘われて事務室へお邪魔しました。
あったかい事務室の中で、お話再開。朝焼けが好きとか、音が聞こえるところが好き、とか、水平ドームは
安全だよねとか、いろいろお話させていただいて、新科学館に入る投影機のことを伺ったり。
今度もツァイス君で、パンフによると、カール・ツァイス社製のスターマスターZMP、だそうです。一球
式のコンパクトなものだそうで(制御装置がかなりコンパクトらしい)、重さも350キロほどと軽いそうで
す。惑星球はスポットライトのようです。そして色は黒。正確にはチャコールグレーだそうです。青いのと
黒いのが選べるはずだったそうですが、結局、黒に。石川さんは青い方がよかったらしいですが、館の他の
方も黒い方がいいとおっしゃっていたそうで、私も黒い方がいい、というと、やっぱり黒か・・・。と笑っ
ていました。色見本も見せていただいて、新しい投影機への期待も膨らみます。
あたらしい科学館のすごいのは投影機だけではありません。ドームもすごいです。18Mの水平ドームで、
席は同心円配列で170席。しかも一部は回転椅子だそうです。今まで説明の映像とかが座る方角によっては
逆さまから見るようになっていたのが、椅子が回転することによって、それを解消できるそうです。スライ
ドの投影機はもう生産中止だそうですが、新しい科学館に入れる分は確保済みとのことです。ドームをガラ
ス張りで囲って、外観も素敵になるもよう。天文台ももちろん設置です。
今の投影機は41年間、星を映してきました。ツァイスの投影機は寿命が他の会社のより長いらしいです。
倍くらい持つらしいです。値段は倍はしないんだけどね、とおっしゃる石川さん。
イエナは小型の投影機です。恒星球の電球も小さいです。切れてはないけど使用済み、というその電球を
頂きました。50Wの小さな電球。小さいよ。五島ではおそらくこれが惑星球用くらいじゃないかと。それだ
け投影機が小さいってこと。家庭用のと大差なさそうなその小さなあかりで、たくさんの星が映されていた
のですね。貴重なものをお話をありがとうございました。
ちいさいけど、やさしい星空。新しい科学館にも、新しいツァイス君に逢いに必ず行こう。
写真はこちら
2005/1/10
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